ブタ脂様角膜裏面沈着物
mutton fat keratic precipitates

眼の中には色素を多く含んだ虹彩、毛様体、脈絡膜、3つ合わせてぶどう膜と言う組織があります。
虹彩は眼の中に入る光の量を調節します。 毛様体は焦点を合わす作用と眼内にお水を産生して眼の硬さを保つ働きがあります。 脈絡膜は網膜に栄養と酸素を補給しています。
ぶどう膜は、眼を安定的に保つための大変重要な組織です。 ここの炎症をぶどう膜炎と言います。 ぶどう膜炎は多くの原因によって起こります。
原因の半分は眼自身によるものですが、半分は全身病の一症状として現れる大変厄介な病気です。 例えば、糖尿病やサルコイドーシスといった全身疾患からくるぶどう膜炎のときに、角膜の裏側に豚の脂の様な炎症産物が付着していることがあります。 これを「豚脂様角膜裏面沈着物」と言います。 豚脂様角膜裏面沈着物は、ぶどう膜炎の診断と治療経過に重要なサインとなります。